撮影は、ソンタルジャ監督の故郷で、ヤンチェン・ラモや父親役のグル・ツェテンの故郷である青海省の同徳県で行われた。同徳県は青海省海南チベット族自治州(青海湖の南側)にあり、海抜は約3060メートル。放牧地は中心地から約10キロほど離れた場所で、大部分は草原だが、一部砂漠化している土地もある。
古くからの文化的・言語的なチベット地域の分け方では、アムド、カム、ウー・ツァンの3つに大きく分類されているが、青海省のほぼ全域に重なるアムド地域は、日本人がイメージする“草原のチベット”を最も感じさせる地域だと言える。