祝福〜オラとニコデムの家〜

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解説&あらすじ

かたくなな少女がカメラを受け入れたときドキュメンタリー史上、最も親密な映画が生まれた。

アンナ・ザメツカ監督の寄り添うカメラがおこした奇跡。世界中の多数の賞に輝いた昨年度ベスト・ドキュメンタリーの1本。

昨年10月の山形国際ドキュメンタリー映画祭で最高賞のロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)に輝き、ヨーロッパ映画賞も受賞。世界中の数々のドキュメンタリー賞を席巻した感動的な傑作『祝福〜オラとニコデムの家』。監督はポーランドのドキュメンタリー作家、アンナ・ザメツカ。自分自身が、この映画の少女だったと語る彼女が、その経験を重ねながら、少女の日常を撮り続けた。カメラは、少女の心の叫びを世界に伝えるための可能性であろうとし、それによって本作はドキュメンタリーの可能性をも拡げ、世界中の映画祭で賞賛された。

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オラ、14歳。ニコデム、13歳。二人は現代のヘンゼルとグレーテル。世界に負けないように立っている君たちに祝福があることを。

ワルシャワ郊外の街セロツク。14歳の少女オラの家族は、酒で問題を抱える父親と自閉症の13歳の弟ニコデム。母親は違う男性と離れて暮らしている。家事をこなし、弟の面倒を見るのはもっぱらオラの役目だ。現実は厳しい。それはわかっている。けれど、少女は心のどこかで夢見ている。弟の初聖体式が成功すれば、もう一度家族がひとつになれると。監督はこの映画を「親に見放され、帰る家を探している現実的なヘンゼルとグレーテルの物語」という。この映画は、大人に守られず必死に生きている、この世界の子どもたちへの、優しくも透徹したまなざしである。

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