物 語
チベット、カム地方マルカム県プラ村。ニマの家では、父親が亡くなり、まだ四十九日が明けず、法事が行われていた。父の弟のヤンペルは、兄のように思い残すことなく自分は死ぬ前に聖地ラサ行きたいと願っていた。ニマは叔父の願いを叶え、叔父を連れ、ラサへ巡礼に行く決意をする。彼らの巡礼のことを知ると、次々と同行を願う村人が集まり、老人、妊婦、そして幼い少女タツォを含め一行は総勢11人になった。村から五体投地で1200km離れた聖地ラサへ、さらにそこから1200kmあるカイラス山への巡礼の旅がはじまる。


「しゃくとり虫のように進む」と説明されるように、やってみれば、いかに進むのが大変かがわかる。本作は、チベットの小さな村の11人の村人が、聖地ラサへ、そして最終目的地の聖山カイラスへ、2400kmもの距離を、なんと五体投地で行く巡礼旅を描いた驚くべきロードムービーである。