●カトリーヌ・ドヌーヴ Catherine Deneuve

ジュノン Junon

1943年10月22日、パリに生まれる。本名はカトリーヌ・ドルレアック。両親も俳優で、姉は女優のフランソワーズ・ドルレアック。13歳の時に、母方の旧姓ドヌーヴの名前で映画初出演。63年の『悪徳の栄え』(ロジェ・ヴァディム監督)で初主演を果たし、翌64年のカンヌ国際映画祭グランプリに輝いた『シェルブールの雨傘』(ジャック・ドゥミ監督)の主演で国際的スターに。以降映画出演作は100本を超える。本作で共演している女優キアラ・マストロヤンニは、俳優マルチェロ・マストロヤンニとの間の実の娘。デプレシャン監督作には前作『キングス&クイーン』に続いての出演となる。

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●ジャン=ポール・ルシヨン Jean-Paul Roussillon

アベル Abel

1931年3月5日生まれ。コメディ・フランセーズの名誉会員で、舞台はもちろん、生涯80本以上の映画・ドラマに出演した名優。同時に名舞台演出家として知られた。惜しくも2009年7月31日に死去。79歳だった。俳優として舞台に立ち始めたのは、まだ10代だった1940年代からで、50年代には映画にも初出演、60年にはコメディ・フランセーズの一員となりモリエールやシェークスピア劇で俳優としての大きな成功をおさめた後、演出家に。ことにモリエールとラシーヌの演出は高く評価されている。映画では、ジュリアン・デュヴィヴィエ、ベルトラン・タヴェルニエ、ジョゼフ・ロージーといった名監督たちの作品に出演。デプレシャン監督作には、2003年の「‘In the Company of Men’を演じるレオ」(未公開)と前作の『キングス&クイーン』に出演。本作でセザール賞助演優賞を受賞した。妻は同じくコメディ・フランセーズの名女優カトリーヌ・フェラン。

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●アンヌ・コンシニ Anne Consigny

エリザベート Elizabeth

1963年5月25日生まれ。わずか9歳でルノー=バロー劇団の「繻子の靴」で初舞台。コンセルヴァトワールで演技を学び、81年には高田賢三監督の『夢・夢のあと』で映画デビュー。当時は日本の化粧品のCMにも出演した。その後、名門コメディ・フランセーズの舞台で活躍し、2002年、2003年にはモリエール賞助演女優賞に連続ノミネート。近年、映画出演を積極的に行い、『愛されるために、ここにいる』(ステファン・ブリゼ監督)ではセザール賞主演女優賞ノミネート。デプレシャン監督作には、未公開の「‘In the Company of Men’を演じるレオ」で初出演。本作ではセザール賞助演女優賞に再びノミネートされた。今年7月には『華麗なるアリバイ』(パスカル・ボニゼール監督)も日本公開された。

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●マチュー・アマルリック Mathieu Amalric

アンリ Henri

1965年10月25日生まれ。父はル・モンド紙の名物記者、母は文芸評論家。82年、両親の友人であったオタール・イオセリアーニ監督の「Les favoris de la lune」に17歳で出演。映画づくりに魅了され、自身で短編を撮りはじめる。自作の短編に出演しているのをデプレシャン監督に見出され、『魂を救え!』に出演。以降デプレシャン組の欠かせない俳優となり、『そして僕は恋をする』ではセザール賞有望若手男優賞受賞、『キングス&クイーン』ではセザール賞主演男優賞に輝いた。その他、日本でも知られるヒット作に、左のまぶた以外全身麻痺となった実在の人物を演じた『潜水服は蝶の夢を見る』(ジュリアン・シュナーベル監督)。近年は『ミュンヘン』、『007 慰めの報酬』といったハリウッド大作にも出演し話題になる。97年の初長編「Mange ta soupe(スープをお飲み)」以来、監督作もコンスタントに発表し、最新の監督作「Tournée(巡業)」が2010年カンヌ国際映画祭監督賞に見事輝いた。

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●メルヴィル・プポー Melvil Poupaud

イヴァン Ivan

1973年1月26日生まれ。母親が映画関係者だったことから、子役としてラウル・ルイス監督作品などにたびたび出演。本格的な俳優デビューは15歳で出演した『15才の少女』(ジャック・ドワイヨン監督)で、セザール賞有望若手男優賞にノミネートされた。『夏物語』では巨匠エリック・ロメール監督に起用され、劇中で歌とギター演奏も披露。『ぼくを葬る』(フランソワ・オゾン監督)では末期ガンで死を前にした青年を演じ、『ブロークン・イングリッシュ』(ゾエ・カサヴェテス監督)ではロマンティックなラブストーリーを演じるなど幅広く活躍。ミュージシャンの兄とバンドを組んでアルバムをリリースしたりもしている。デプレシャン監督作は、本作が初めての出演。本作で妻を演じたキアラ・マストロヤンニとは学生時代からの親友。

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●イポリット・ジラルド Hippolyte Girardot

クロード Claude

1955年10月10日生まれ。70年代に俳優デビューし、1984年、カトリーヌ・ドヌーヴが主演した「Le bon plaisir」でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされ注目される。日本では特にエリック・ロシャン監督作で映画ファンに印象を残し、イザベル・アジャーニと共演した『可愛いだけじゃダメかしら』からパトリス・ルコント監督の『イヴォンヌの香り』への演技の幅広さで個性派俳優としての人気を確立。『ユキとニナ』では俳優として出演するとともに、諏訪敦彦監督と共同監督した。デプレシャン監督作には、「‘In the Company of Men’を演じるレオ」と『キングス&クイーン』にも出演。

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●エマニュエル・ドゥヴォス Emmanuelle Devos

フォニア Faunia

1964年5月10日生まれ。両親ともに俳優。エコール・フロランで演技を学び、86年に映画デビュー。同世代のFEMISの監督たちと親交があり、ノエミ・ルヴォフスキー監督作、アルノー・デプレシャン監督作にたびたび出演。特に、デプレシャン作品には欠かせない“ミューズ”的な位置を占めている。『そして僕は恋をする』でセザール賞有望若手女優賞ノミネート以来、セザールの常連で『リード・マイ・リップス』(ジャック・オディアール監督)では同賞主演女優賞受賞、デプレシャン監督の前作『キングス&クイーン』では、いかなる時も美しく輝く女性ノラを演じて同賞主演女優賞ノミネート。2010年のセザール賞では「À l'origine」で助演女優賞受賞を獲得している。

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●キアラ・マストロヤンニ Chiara Mastroianni

シルヴィア Sylvia

1972年5月28日生まれ。父はマルチェロ・マストロヤンニ、母はカトリーヌ・ドヌーヴ。学生時代の親友、メルヴィル・プポーに励まされて女優の道へ。1993年、アンドレ・テシネ監督の『私の好きな季節』で映画デビュー、母と共演。同作でセザール賞有望若手女優賞にノミネートされ、大きく注目される。その後、着々と力量をあらわし、『クレーヴの奥方』(マノエル・デ=オリヴェイラ監督)での古典的美しさから「ラクダと針の穴」(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ監督)などで見せる親しみやすいコメディエンヌぶりまで才能は幅広い。2010年ロカルノ国際映画祭が卓越した国際俳優に与えるエクセレンス・アワードを授与。デプレシャン監督作には『そして僕は恋をする』に次いで、本作が2作目の出演。

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●ローラン・カペリュート Laurent Capelluto

シモン Simon

ベルギー出身。ベルギーの映画・テレビで活躍した後、2004年の「Pour le plaisir」でフランス映画初出演。本作で大きな注目を浴び、セザール賞有望若手男優賞にノミネート。2009年の初主演作「La Grande Vie」はデプレシャン作品で知られる俳優エマニュエル・サランジェの監督作。以降も出演作が相次いでいる。

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●エミール・ベルリング Emile Berling

ポール Paul

日本でも人気の高い俳優シャルル・ベルリングは父。2006年、「Les Hauts murs」(クリスチャン・フォール監督)で鮮烈な主演映画デビュー。『夏時間の庭』(オリヴィエ・アサイヤス監督)では父とも共演。本作の演技でさらに評価を高め、今後もフランソワ・オゾン監督の「Le Refuge」、ナターシャ・レニエ、ブリュノ・トデスキーニらと共演した「Orly」などが続く。

 

●フランソワーズ・ベルタン Francoise Bertin

ロゼメ Rosaimée

1960年代から数々の映画・ドラマで活躍するベテラン女優。主な出演作として、ルイス・ブニュエル監督『小間使の日記』、アラン・レネ監督『恋するシャンソン』、ダニス・タノヴィッチ監督『美しき運命の傷痕』、ローラン・ティラール監督『プチ・ニコラ』など。デプレシャン監督作では「L'aimée」(愛された人)にも出演している。

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主な出演作品は、()内は監督名。
未公開作は原題で表記。
特集上映題・映画祭題がある場合はそれを表記し、()内に原題。