1960年10月31日、ベルギー人の両親のもと、フランス北部のルーベに生まれる。84年、イデック(IDHEC/パリ高等映画学院-現FEMIS)を卒業。演出と撮影技術を専攻した。同窓のエリック・ロシャン監督作品で撮影を務めた後、91年に中篇『二十歳の死』を発表。映画ファンの熱狂的な支持を受けるとともに、ジャン・ヴィゴ賞を受賞。92年に長篇『魂を救え!』をカンヌ国際映画祭に正式出品。96年、マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、マリアンヌ・ドニクール、キアラ・マストロヤンニらを起用した『そして僕は恋をする』で評価を不動のものとした。その後の作品に、イギリス演劇界を舞台に初めて英語で撮影した『エスター・カーン めざめの時』(2000)、現代イギリス戯曲家エドワード・ボンドの‘In the company of men’を演じる若き俳優に迫った「‘In the Company of Men’を演じるレオ(Léo, en jouant "Dans la Compagnie des Hommes)」、エマニュエル・ドゥヴォス+マチュー・アマルリックでルイ・デリュック賞を受賞した傑作『キングス&クイーン』がある。
本作に先立つ2007年には、故郷ルーベの家族の家が売却されることをきっかけに「L'aimée」(愛された人/65分)という家族のドキュメンタリーを製作。そこから本作『クリスマス・ストーリー』につながっていく。
デビュー当時より、「フランソワ・トリュフォーの再来」と呼ばれて久しいが、むしろ現代フランスの最もオリジナリティ溢れる名匠として世界中の映画ファンに愛されている。
1991 | 二十歳の死 撮影:エリック・ゴーティエ 音楽:マルク・ゾンマー 出演:ティボー・ド・モンタランベール、ロシュ・レボヴィッチ、マリアンヌ・ドニクール |
1992 | 魂を救え! 撮影:キャロリーヌ・シャンプティエ 出演:エマニュエル・サランジェ、マリアンヌ・ドニクール、ヴァレリー・ドレヴィル、ジャン=ルイ・リシャ−ル、マチュー・アマルリック |
1996 | そして僕は恋をする 共同脚本:エマニュエル・ブルデュー 撮影:エリック・ゴーティエ 音楽:クリシュナ・レヴィ 出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、マリアンヌ・ドニクール、 エマニュエル・サランジェ、ジャンヌ・バリバール、ティボー・ド・モンタランベール、キアラ・マストロヤンニ、ドゥニ・ポダリデス、ファブリス・デプレシャン、マリオン・コティヤール |
2000 | エスター・カーン めざめの時 共同脚本:エマニュエル・ブルデュー 撮影:エリック・ゴーティエ 音楽:ハワード・ショア 出演:サマー・フェニックス、イアン・ホルム、ファブリス・デプレシャン、ラズロ・サボ、エマニュエル・ドゥヴォス |
2003 | ‘In the Company of Men’を演じるレオ(Léo, en jouant "Dans la Compagnie des Hommes") 撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ 出演:サミ・ブアジラ、ジャン=ポール・ルシヨン、ウラジミール・ヨルダノフ、ラズロ・サボ、アナ・ムグラリス、イポリット・ジラルド、アンヌ・コンシニ |
2004 | キングス&クイーン 共同脚本:ロジェ・ボボー 撮影:エリック・ゴーティエ 音楽:グレゴワール・エッツェル 出演:エマニュエル・ドゥヴォス、マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーヴ、モーリス・ガレル、ナタリー・ブトゥフ、 マガリ・ヴォック、イポリット・ジラルド、ジャン=ポール・ルシヨン、カトリーヌ・ルヴェル、ノエミ・ルヴォフスキー |
2007 | L'aimé e(愛された人)*中篇ドキュメンタリー |
2008 | クリスマス・ストーリー |
『すべては映画のために! アルノー・デプレシャン発言集』 港の人, 2006 ISBN 4880083550
デプレシャン監督の学生時代からの盟友で、第一作『二十歳の死』(91)から製作に携わるパスカル・コシュトゥーが創立した製作会社。コシュトゥーは2009年、優れた独立系プロデューサーとして表彰される。
1997 ノーウェア(グレッグ・アラキ)
2000 マチューの受難(Selon Matthieu/グザヴィエ・ボーヴォワ)
2001 白と黒の恋人たち(フィリップ・ガレル)
2005 真夜中のピアニスト(ジャック・オディアール)、
若き警官(Le petit lieutenant/グザヴィエ・ボーヴォワ)
2007 Faut que ça danse!(ノエミ・ルヴォフスキー)
2009 Non ma fille, tu n'iras pas danser(クリストフ・オノレ)、White Material(クレール・ドゥニ)
2010 Happy Few(アントニー・コルディエ)
魂、そして僕は、エスター、レオ、キングス、L'aimée、クリスマス
1965年生まれ。父は社会学者のピエール・ブルデュー。学生時代にデプレシャンと知り合い、ジャンヌ・バリバール、マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、ドゥニとブリュノのポダリデス兄弟らと親しくなり、仲間の舞台や映画のために脚本を手がけるようになる。監督としても有名で、2006年の「Les Amitiés maléfiques(悪い友情)」はカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを受賞している。
2003 Vert paradis(エマニュエル・ブルデュー)
そして僕は、エスター、レオ、クリスマス
1961年生まれ。フランス出身。ヨーロッパのみならず世界的に活躍する撮影監督。
1992 Albert souffre (ブリュノ・ニュイッテン)
1995 百一夜(アニエス・ヴァルダ)
1996 ティコ・ムーン(エンキ・ビラル)、ラブetc.(マリオン・ヴェルヌー)、
イルマ・ヴェップ(オリヴィエ・アサイヤス)
1997 HHH:侯孝賢(オリヴィエ・アサイヤス)
1998 愛する者よ、列車に乗れ (パトリス・シェロー)
1999 ポーラX(レオス・カラックス)
2000 感傷的な運命(Les Destinées sentimentales/オリヴィエ・アサイヤス)
2001 インティマシー/親密(パトリス・シェロー)
2003 ソン・フレール-兄との約束(パトリス・シェロー)
2004 モーターサイクル・ダイアリーズ(ウォルター・サレス)、クリーン(オリヴィエ・アサイヤス)、
2005 ガブリエル(パトリス・シェロー)
2007 イントゥ・ザ・ワイルド(ショーン・ペン)
2008 夏時間の庭(オリヴィエ・アサイヤス)
2009 Taking Woodstock(アン・リー)、風にそよぐ草(Les herbes folles/アラン・レネ)
2010 Miral(ジュリアン・シュナーベル)
2011 On the Road(ウォルター・サレス)
二十歳、そして僕は、エスター、キングス、クリスマス
学生時代にデプレシャンと知り合い、第一作の『二十歳の死』(91)から編集に携わる。
2002 天使の肌(ヴァンサン・ペレーズ)
2003 ぼくセザール10歳半 1m39cm(リシャール・ベリ)
2006 Je m'appelle Elisabeth(ジャン=ピエール・アメリス)
2009 ユキとニナ(諏訪敦彦、イポリット・ジラルド)
二十歳、そして僕は、レオ、キングス、L'aimée、クリスマス
フランスの作曲家。エマニュエル・ブルデュー、マチュー・アマルリック、アルノー・デプレシャンの監督作を中心に音楽を提供。
2001 Candidature(エマニュエル・ブルデュー)、
ウィンブルドンの段階(Le Stade de Wimbledon/マチュー・アマルリック)
2003 Vert paradis(エマニュエル・ブルデュー)
2005 Le Passager(エリック・カラヴァカ)
2006 Les Amitiés maléfiques(エマニュエル・ブルデュー)
2007 Les Ambitieux(カトリーヌ・コルシニ)
2008 Intrusions(エマニュエル・ブルデュー)
2009 L’Avocat(セドリック・アンジェール)
2010 Petit tailleur(ルイ・ガレル)
キングス、L'aimée、クリスマス
*主な作品は、()内は監督名。未公開作は原題で表記。特集上映題・映画祭題がある場合はそれを表記し、()内に原題。
*デプレシャン作品については右に省略し末尾に表記。
・二十歳の死(91)→二十歳
・魂を救え!(92)→魂
・そして僕は恋をする(96)→そして僕は
・エスター・カーン めざめの時(00)→エスター
・‘In the company of men’を演じるレオ(Léo, en jouant "Dans la compagnie des homes)(03)→レオ
・キングス&クイーン(04)→キングス
・愛された人(L'aimée)(07)→L'aimée
・クリスマス・ストーリー(08)→クリスマス