三姉妹

フィルモグラフィー

1999 - 2003 鉄西区(鉄西区)WEST OF TRACKS[3部構成 545分]
Part 1:工場 RUST(240分)
Part 2:街 REMNANTS(175分)
Part 3:鉄路 RAILS(130分)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003 大賞
2002 リスボン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ
2003 マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ
2003 ナント三大陸映画祭ドキュメンタリー部門最高賞
2007 鳳鳴(フォンミン)―中国の記憶(和鳳鳴
FENGMING, A CHINESE MEMOIR[183分]
2007 カンヌ国際映画祭出品 山形国際ドキュメンタリー映画祭2007 大賞
2007 暴虐工廠(暴力工廠)BRUTALITY FACTORY[16分] 6人の監督によるオムニバス『世界の現状』THE STATE OF THE WORLD[101分]の1編。他の監督は、ペドロ・コスタ、シャンタル・アケルマン、アイーシャ・アブラハム、ヴィセンテ・フェラス、アピチャッポン・ウィーラセタクン。
2007 カンヌ国際映画祭監督週間公式出品
2008 原油(原油)CRUDE OIL[840分]
2008 ロッテルダム国際映画祭出品
2008 香港国際映画祭出品
2008 トロント国際映画祭出品
2009 石炭、金(煤炭,銭)COAL MONEY[53分]
2009 シネマ・ドゥ・リール国際映画祭出品
2009 名前のない男(無名者)MAN WITH NO NAME[96分]
2010 サン・ドニ映画祭出品
2010 無言歌(夾辺溝)THE DITCH[109分] 2010 ベネチア国際映画祭SURPRISE FILM
2010 東京フィルメックス招待作品
2010 トロント国際映画祭出品
2011 ラスパルマス国際映画祭 観客賞、特別審査員賞、カトリック映画賞
2012 三姉妹〜雲南の子(三姉妹)THREE SISTERS[153分]

監督メッセージ

この映画は、ごく普通の貧しい農民の家族と彼らの日常生活を描いています。私たちはこの家族の在り方に、人はこのような過酷な環境の中で生きるため、いかに適応するのか、いかに子供たちは成長するのか、いかに子供たちにとって日々の生活がたいへんな冒険であるのかを見つめました。

2年ほど前に私はこの家族に初めて会いました。私は子供たちが育ってきた信じがたいほどの困難な状況に胸を打たれました。それは、私に、自分自身も幼い時に経験し、適応しなければならなかった貧困を思い出させました。若くまだ未熟な人間たちが動物のように生きる非人間的な世界です。ただ同時にそこはとても人間的で、彼らの間に存在する絆が、彼らに人生に対処する力を与えてもいます。私は、現代の中国におけるこうした貧しい農村の子供たちの現実を証言したいと思いました。現代というイメージ、経済発展というイメージ、そして、今日の中国が見せているほとんど西洋世界といっていいイメージは、ゆっくりと私たちの視界から、向こう側――人間の側――を見えないものにしていきます。人間性とは一体何なのでしょう? 貧しさのために学校へ行けない子供たちとは? 経済成長による恩恵をまったく得ずに希望もなく生きる人々とは?

私は、この家族を民族学的探求としては捉えたくはありません。私は、この家族の内側にある親密な感情を理解し、感じてもらうために、彼らの現実のより具体的で直接的なイメージと、子供たちが生きる世界の直接的なイメージを観客に委ねたいと思いました。そのために、私は、多くを安定したカメラで撮影し、彼らが毎日繰り返している日々の時間やすべての細かな事柄を記録しました。私たちは、彼らの原初的な生活を目撃します。

この映画の物語は、純粋でシンプルな人間の物語なのです。

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