MESSAGE

――― 私たちの問題はすべて私たちの財産なのである。

この頼もしいパラドックスを理解すること。それは、希望を失わず、前に進むことができるように私たちを助けてくれました。世界のどの国で生きようと、大小に関わらず問題に直面するものだと私たちは信じているからです。打ち負かされず、解決策を考えていくことが私たちの務めです。

生きているという現実と、映画を生かし続けるという夢が、イラン映画にある制限を乗り越える意欲を与えてくれました。

映画にある可能性は、映画製作者が映画を作れないならばそれはただ自身の責任なのだということを私たちに教えてくれました。アートの聡明な本質は、私たちに問題を乗り越えるための道を開いてくれるだけではなく、創作の過程であらゆる制限をも仕事への課題に変えてくれるのです。

今日のイラン映画と製作者たちを統制している幸福ではない現実。それこそが、(おそらくは一時的な)この現実を見逃さないこと、その自分たちへの影響について描くことへと私たちを駆り立てたのです。

ジャファール・パナヒ
モジタバ・ミルタマスブ

2011年5月5日