どこにも行かないけど、どこにも行ける!
ゴンドラの自由と幸福。
世界62の映画祭に招待され、10の賞を受賞!
映画の主人公は、緑あふれる山の谷間をつなぐ古い2つのゴンドラ(ロープウェイ)とゴンドラの2人の女性乗務員。ゴンドラは行ったり来たり。世界のどこかに行くわけではないけれど。想像力があればどこへでも行けるのだ。映画にセリフはない。どこか懐かしいような音楽と、キャラクターたちの豊かな表情と、美しいロケーションが、観客に魔法をかける。東京国際映画祭はじめ世界62の映画祭に招待され、10の賞を受賞した『ゴンドラ』は、ヨーロッパでもアジアでも、国境をこえて、見る人を笑顔にしてしまう。ゴンドラは自由と幸福を乗せていく。
セリフがないから生まれる映画的瞬間!
唯一無二の名匠ファイト・ヘルマー待望の最新作。
監督はドイツ出身の名匠ファイト・ヘルマー。1999年の長編デビュー作『ツバル TUVALU』以来、日本公開作は多くないが、まさに“我が道を行く” 、その唯一無二の独特な世界観に魅せられているファンは多い。<セリフなし映画>について「これは必要最小限の要素だけで作った真珠のような作品。セリフがないから生まれる映画的瞬間を見てほしい」と語っている。撮影は、ラナ・ゴゴベリゼ監督『金の糸』(19)のゴガ・デヴダリアニ。美術は『ブラ!ブラ!ブラ!胸いっぱいの愛を』(18)のバチョ・マハラゼ。印象的な音楽は、人気バンドThe BossHossのメンバーでもあるマルコム・アリソン。アイスランドの女性シンガーソングライター、ソーレイことソーレイ・ステファンスドッティルも参加している。
コーカサス、ジョージアの村の本物のゴンドラ
映画の主役でもあるゴンドラは、ジョージア(旧グルジア)南部、小コーカサス山脈の西にあるフロという小さな村に実在するゴンドラが使われている。「ジョージアで最も長い距離をつなぐゴンドラ」と言われ、途中の支柱がないために、風が強いとかなり横揺れして怖いらしい。数年前にゴンドラは新しい車体に変わってしまったため、映画に残されたかつての姿はとても貴重だ。