カンヌ映画祭

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター

最高に美しくて、最高に仲の悪い姉と弟。それでも幸せな結末はある。
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アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ開催
メイジャー
ムビチケ
「関係が悪く疎遠になった「きょうだい」はいますか?―はい84%」
Introduction&Story
解説&ストーリー
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』のマリオン・コティヤールと『それでも私は生きていく』のメルヴィル・プポーで贈る最高の「きょうだい」ゲンカ。物語は予想もつかない「憎しみの出口」へ…
姉アリスは有名な舞台女優。弟ルイは詩人。何が理由かは思い出せないけれど、もうずっと二人は互いを憎み合い、長らく顔も合わせていない。そんな二人が、両親の突然の事故によって、再会するのだが……。 <家族なのに>憎み合うなんて。そう思う人もいるだろうが、<家族だから>どうしても許せない、それもまた事実。誰もがどこかで思い当たる感情を、ある時は優しく、ある時はサスペンスのように、またある時はコミカルに描いた芳醇な映画!そして物語は予想もつかない「憎しみの出口」へと向かう……。
パリの若者たちを描いた群像劇『そして僕は恋をする』以来、世界の映画ファンを魅了し続けてきたアルノー・デプレシャン監督の新たな集大成にして新境地。これぞ映画の魔法です!
Characters
登場人物たち
Cast
キャスト
アリス:マリオン・コティヤール
Marion Cotillard
俳優をしている両親の影響で、幼い頃から舞台に立つ。オルレアンの演劇学校を首席で卒業し、16歳で映画デビュー。デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』(1996)で注目され、『TAXi』(1998)でセザール賞有望若手女優賞にノミネートされる。ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』(2003)でハリウッドデビュー。翌年の『ロング・エンゲージメント』(2004)でセザール賞助演女優賞受賞。『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(2007)でセザール賞主演女優賞とともにアカデミー賞主演女優賞にも輝く。その他の主な出演作に『世界でいちばん不運で幸せな私』(2003)、『プロヴァンスの贈りもの』(2006)、『インセプション』(2010)、『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)、『君と歩く世界』(2012)、『エヴァの告白』(2013)、『サンドラの週末』(2014)、『たかが世界の終わり』(2016)、『イスマエルの亡霊たち』(2017)、『アネット』(2021)など。2020年にはこれまでトップ女優たちが華々しく語り、演じてきた「シャネルNo.5」の新たなミューズに選ばれている。
ルイ:メルヴィル・プポー
Melvil Poupaud
1973年、パリ生まれ。母親が映画関係者だったことから、子どもの頃から映画に出演。本格的な俳優デビューは、ジャック・ドワイヨン監督の『15才の少女』(1989)で、セザール賞有望若手男優賞にノミネートされた。『夏物語』(1996)では巨匠エリック・ロメールに起用され、劇中で歌とギターも披露した。フランソワ・オゾン監督やグザヴィエ・ドラン監督、ミア・ハンセン=ラブ監督など、重要な映画監督たちの作品に欠かせない存在となっている。他の主な出演作に『いちばん美しい年齢』(1995)、『シューティング・スター』(1997)、『キッドナッパー』(1998)、『ぼくを葬る』(2005)、『ブロークン・イングリッシュ』(2007)、『クリスマス・ストーリー』(2008)、『わたしはロランス』(2012)、『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(2018)、『オフィサー・アンド・スパイ』(2019)、『Summer of 85』(2020)、『それでも私は生きていく』(2022)。兄弟とバンドを組みミュージシャンとしても活躍している。
フォニア:ゴルシフテ・ファラハニ
Golshifteh Farahani
1983年テヘラン生まれ。父は俳優で演出家、母はアーティストだった。1997年、14歳の時に映画デビュー。2004年、イラン映画『Boutique』でナント三大陸映画祭で最優秀助演女優賞を受賞。2006年、バフマン・ゴバディ監督の『半月〜ハーフ・ムーン〜』に主演。2008年、アメリカ映画『ワールド・オブ・ライズ』に出演し、レオナルド・ディカプリオと共演。2009年、アスガー・ファルハディ監督の『彼女が消えた浜辺』に主演。近年ではジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』で演じたアダム・ドライバーの妻役が印象深い。現在パリ在住。
ズウィ:パトリック・ティムシット
Patrick Timsit
俳優、作家、映画監督。アルジェリア系ユダヤ人を祖先にもつ。1980年代からスクリーンで活躍し、数々の大ヒット作に出演して人気を博す。これまでの主な作品に『女と男の危機』(1992)、『僕は、パリに恋をする』(1994)、『ペダル・ドゥース』(1996)、『見覚えのある他人』(1996)、『たれ込み屋』(1997)、『女優マルキーズ』(1997)、『パパラッチ』(1998)、『歓楽通り』(2002)、『ダリダ〜あまい囁き〜』(2016)など。セザール賞には、『女と男の危機』で助演男優賞、『ペダル・ドゥース』で最優秀主演男優賞と最優秀脚本賞、『たれ込み屋』で最優秀主演男優賞と4度輝いている。
Director
監督
監督:アルノー・デプレシャン
Arnaud Desplechin
1960年10月31日、ベルギー人の両親のもと、フランス北部の町ルーベに生まれる。84年、イデック(IDHEC/パリ高等映画学院-現FEMIS)を卒業。91年に短編『二十歳の死』を発表。映画ファンの熱狂的な支持を受けるとともに、ジャン・ヴィゴ賞を受賞。92年に初長編『魂を救え!』をカンヌ国際映画祭正式出品。96年の『そして僕は恋をする』で評価を不動のものとした。その後の作品に、イギリス演劇界を舞台に初めて英語で撮影した『エスター・カーン めざめの時』(2000)、ルイ・デリュック賞を受賞した傑作『キングス&クイーン』、日本でも大ヒットした『クリスマス・ストーリー』(2008)、『そして僕は恋をする』の続編とも言える『あの頃エッフェル塔の下で』(2015)など、映画的興奮に満ちた作品を生み続けている。
Filmography
1991
二十歳の死LA VIE DES MORTS*短編
1992
魂を救え!LA SENTINELLE
1996
そして僕は恋をするCOMMENT JE ME SUIS DISPUTÉ... (MA VIE SEXUELLE)
2000
エスター・カーン めざめの時ESTHER KAHN
2003
“男たちと共に” 演技するレオLÉO, EN JOUANT “DANS LA COMPAGNIE DES HOMMES”*日本劇場未公開/特集上映
2004
キングス&クイーンROIS & REINE
2007
愛された人L’AIMÉE*ドキュメンタリー *日本劇場未公開/特集上映
2008
クリスマス・ストーリーUN CONTE DE NOËL
2013
ジミーとジョルジュ 心の欠片を探してJIMMY P. (PSYCHOTHÉRAPIE D’UN INDIEN DES PLAINES)
2014
LA FORÊT *テレビ映画 *日本未公開
2015
あの頃エッフェル塔の下でTROIS SOUVENIRS DE MA JEUNESSE
2017
イスマエルの亡霊たちLES FANTÔMES D’ISMAËL*日本劇場未公開/映画祭上映
2019
ルーベ、嘆きの光ROUBAIX, UNE LUMIÈRE*日本劇場未公開/映画祭上映
2020
ANGELS IN AMERICA (Comédie française) *日本未公開
2021
レア・セドゥのいつわりTROMPERIE*日本劇場未公開/テレビ放映
2022
EN THÉRAPIE Saison 2 (Arte) *テレビシリーズ *日本未公開
2022
私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスターFRÈRE ET SŒUR
Comment&Review
コメント&海外評
敬称略、五十音順
薄暗い廊下でうなだれる弟、やってくる姉、宿敵同士の再会、さてどうなる…?
あの姉の反応に私は快哉を叫んだよ!
家族というとんでもなく面倒で恐ろしい“ゾク”を、
ちゃんと面白がろうとする優しさとエンターテインメント性に痺れます。
     大九明子(映画監督)
家族という屋根の下で繋がっている2人は、
離れたくてもまた、会ってしまう。
2人にできてしまった大きな溝は、
とても複雑で、2人にしか分からない世界でした。
私も、姉妹という関係の人間が近くにいる身ですが、
憎しみに近いものを感じたことがなかったわけではありません。
それは、一番近くに居て、長く相手のことを愛する時間があればあるほど、ついてまわる感情なのかもしれません。
妹のように生きられたらどんなに楽しいだろうと思った時もありました。
それが愛であり、羨ましさであり、憎しみにもなる。
それが兄弟なのかもしれません。
この映画の2人の気持ちを理解しきれたか、未だに分かりません。
本人たちにしか感じ得ない、それはそれは深い愛でした。
     小春(チャラン・ポ・ランタン)
誰かを憎むことで自分を救おうとすることがあるけれど、
時間がたつにつれ今度は憎しみが自分を苦しめる。
命が尽きるほど憎しみを育てる姉弟を見て、
誰かを憎み続けることは憎まれることよりずっと苦しいのだと思い出した。
自分の中にあった醜い感情が一つ一つ露になるような
不思議な映画体験でした。
     鈴木涼美(作家)
私と妹も10代の頃 物凄く仲が悪かったことを思い出した。
長い年月で積み重なった思考と“家族"という遠慮のなさ故か。
言語化出来ない複雑に絡まった感情と関係性。
きっとまともな"家族"なんてこの世に存在しないだろう。
     中田クルミ(俳優)
理由なく暴走する車に続きやはり暴走するトラック!
もうそれだけで十分なのだが、愛と憎しみ、生と死、成功と失敗、
希望と絶望の物語があらゆる誤配と誤解とすれ違いを伴って次々に立ち現れる。
物語の危うく果てしない可能性。
そのスリリングでゴージャスな物語に心躍る。
これこそデプレシャンの映画である。
     樋口泰人(映画批評家/boid主宰/爆音映画祭プロデューサー)
現代において人間たどり着く最後の場所は誰しも病室のベッドの上というのか。

喪失によって近づく家族の足音。

どうしようもない現実を探究する幸福を、いつもアルノー・デプレシャンは提示してくれる。
自分を忘れさせる旅の映画。
     甫木元空(映画監督/ミュージシャン)
今年の夏はカサヴェテス特集に続いてデプレシャンのこんな強烈な新作がかかるという、
逆らいがたい流れがある。
厄介な人間ばかり、面倒なトラブルばかりのなか、
本当に××な人物を演じきるメルヴィル・プポーは最高に最低。
なんて勇敢なんだ。
     三宅唱(映画監督)
理由なく憎しみが生まれ、家族を蝕みつづける。
ベナンの人に言えばきっとそれは呪いだというだろう。
卑近で、神話的で、不条理で、その切実さに引き裂かれそうになりながら、
まるで魔術のようにスクリーンから眼が離せない。
     村津蘭(映像人類学、アフリカ研究)
憎しみ合う二人の物語のはずなのに
こんなに軽やかでコミカルですらあるのはどうしたことか
人生はギリシア悲劇ではなく神様のコメディ
悲しみや苦難の中にも薄明かりが差している
そう言ってもらっているみたいだ
     山崎まどか(コラムニスト)
爆発的な感情が詰まった映画!
デプレシャン監督は家族関係の中の隠された部分     
彼らが長年経験してきたことでもあり、同時に彼らの秘密でもある     
を深く掘り下げる。
本作にもはっきりと現れているのは、
ベルイマンを彷彿とさせる揺るぎない勇気。
監督はやすやすと時間を飛び越え、
記憶と現在の断片を組み合わせることで、
純粋に映画的な体験をたくみに紡ぎだす。
マリオン・コティヤールは、毎度のことだが、啓示を与えてくれる存在だ。
他の人にはない気品とともに、悲しみと苦痛を表現している。
彼女と仕事ができるのは特権的なことだ。
彼女のように、最も矛盾する感情をもその存在の上に集約できる特性を備えた役者はそういない。
並はずれた監督による重要な作品であり、
映画を愛する全ての人に、
このパワーを目撃することをすすめたい。
     アレクサンダー・ロックウェル(映画監督)
デプレシャンは完全なる映画のアスリートだ。
かつてはトリュフォーの後継者と言われたが、
彼は今、私たちのベルイマンになろうとしている。
     Eric Neuhoff(Le Figaro) ★★★★★
説明できない憎しみを描いたこの物語は、
デプレシャンの最も美しい作品の一つだ。
     Adrien Gombeaud(Les Echos) ★★★★★
『キングス&クイーン』や『クリスマス・ストーリー』と
呼応しつつも、この作品は革新を遂げている。
それを可能にしたのは、和解の可能性に向かって開かれた
この純度の高い物語がもつ明晰さだ。
     Eithne O’Neill(Positif) ★★★★★
これほどの繊細さと独創性、
文学的な才能に恵まれた映画監督はなかなかいない。
     David Katz(The Film Stage)
デプレシャンによって美しく書かれた脚本を、
コティヤールとプポーが並外れた演技で表現している。
近年のデプレシャン作品で最も感動を呼ぶ作品。
     Dustin Chang(ScreenAnarchy)
疑いもなくコティヤールの代表作であり、
デプレシャンの最高傑作の一つ。
     David Jenkins(Little White Lies)
Cast
キャスト
アリス:マリオン・コティヤール
Alice : Marion Cotillard
ルイ:メルヴィル・プポー
Louis : Melvil Poupaud
フォニア:ゴルシフテ・ファラハニ
Faunia : Golshifteh Farahani
ズウィ:パトリック・ティムシット
Zwy : Patrick Timsit
フィデル:バンジャマン・シクスー
Fidèle : Benjamin Siksou
アベル:ジョエル・キュドネック
Abel : Joël Cudennec
ルチア:コスミナ・ストラタン
Lucia : Cosmina Stratan
ボルクマン:フランシス・ルプレ
Borkman : Francis Leplay
ジョゼフ:マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ
Joseph : Max Baissette de Malglaive
マリー=ルイーズ:ニコレット・ピシュラル
Marie-Louise : Nicolette Picheral
ピエール:クレマン・エルヴュー=レジェ
Pierre : Clément Hervieu-Léger
シモン:アレクサンドル・パヴロフ
Simon : Alexandre Pavloff



Staff
スタッフ
監督:アルノー・デプレシャン
Director : Arnaud Desplechin
脚本:アルノー・デプレシャン、ジュリー・ペール
Screenplay : Arnaud Desplechin and Julie Peyr
撮影監督:イリーナ・リュプチャンスキ
Director of Photography : Irina Lubtchansky
編集:ローランス・ブリオー
Editor : Laurence Briaud
音楽:グレゴワール・エツェル
Original Score : Grégoire Hetzel
美術:トマ・バクニ
Production Designer : Toma Baqueni
衣装:ジュディット・ドゥ・リュズ
Costume Designer : Judith De Luze
キャスティング:アレクサンドル・ナザリアン
Casting : Alexandre Nazarian
音響:ニコラ・カンタン、シルヴァン・マルブラン、グアダルーペ・カシウス、ステファヌ・ティエボー
Sound : Nicolas Cantin, Sylvain Malbrant, Guadalupe Cassius and Stéphane Thiebaut
第1助監督:マリオン・ドゥアンヌ
First Assistant Director : Marion Dehaene
エグゼクティブ・プロデューサー:マルティーヌ・カッシネリ
Executive producer : Martine Cassinelli
製作:Why Not Productions、Arte France Cinéma
製作参加:CANAL+、Arte France、CINE+
支援:フランス国立映画映像センター(CNC)、Pictanovo
(オー=ド=フランス地域圏の支援およびCNCとのパートナーシップを受けて)
提携:Cinecap 5、Cinemage16、Cineventure 7、Cofinova 18、Indéfilms 10、LBPI 15、Palatine Etoile 19
原題:Frère et sœur|英語題:Brother and Sister
フランス|2022年|110分|シネマスコープ|5.1ch
字幕:磯尚太郎|字幕監修:松岡葉子|配給:ムヴィオラ
©︎ 2022 Why Not Productions - Arte France Cinéma
本作は“French Cinema Season in Japan”の一環として、ユニフランスの支援を受けて公開されます
Flyer
チラシ
こちらからチラシのダウンロードが出来ます。