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スウィート・シング

15歳のビリーと11歳のニコ。逃走しよう、自由になれる場所へ。 『イン・ザ・スープ』のアレクサンダー・ロックウェル監督、25年ぶりの日本公開!

宝物みたいな1日だった

劇場情報 前売り券 ムビチケ
music
イン・ザ・スープ フィルマークス

TRAILER

予告編

INTRODUCTION

米インディーズのカリスマ、
アレクサンダー・ロックウェル監督
25年ぶりの日本公開作品

『イン・ザ・スープ』で、ジム・ジャームッシュらとともに米インディーズの雄として一世を風靡したアレクサンダー・ロックウェル監督。25年ぶりの日本公開となる新作は、15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ、その家族の物語。スーパー16ミリフィルム撮影の美しいモノクロとパートカラー、ヴァン・モリソンやビリー・ホリデイなどの音楽、『地獄の逃避行』や『スタンド・バイ・ミー』へのオマージュなど、一貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェルらしい映画愛に溢れた一編だ。

監督の実の娘&息子が共演、
『ウェンディ&ルーシー』のウィル・パットンが
父親役で出演

監督の実の娘&息子が共演、
『ウェンディ&ルーシー』の
ウィル・パットンが父親役で出演

主人公の姉弟にはロックウェル監督の実の娘ラナと息子のニコ。母親イヴを実際のパートナーであるカリン・パーソンズ、父親アダムをケリー・ライカート監督『ウェンディ&ルーシー』やアカデミー助演女優賞受賞作『ミナリ』の名脇役ウィル・パットンが演じている。

STORY

世界は悲しいけれど、
幸福な1日はある。
15歳のビリーと11歳のニコ、
その家族の物語。

普段は優しいが酒を飲むと人が変わる父アダム。家を出て行った母親イヴ。頼る大人がいないビリーとニコの姉弟。ある日出会った少年マリクとともに、彼らは逃走と冒険の旅に出る!世界はとても悲しい。でも、幸福な1日はある。その1日がずっと長く続きますように。すべての大人に子供時代のきらめきを思い起こさせ、ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で最優秀作品賞を受賞した。

CAST

DIRECTOR

image
アレクサンダー・ロックウェル
監 督

アレクサンダー・ロックウェル

Alexandre Rockwell
もっと詳しく
1989 父の恋人
1992 イン・ザ・スープ
1994 サムバディ・トゥ・ラブ
1995 フォー・ルームス(オムニバス)
1998 Louis & Frank*日本未公開
2002 13 Moons*日本未公開
2010 ピート・スモールズは死んだ!*日本劇場未公開・配信のみ
2013 Little Feet*日本未公開
2016 In The Same Garden
(オムニバス)*日本未公開
2020 スウィート・シング

DIRECTOR'S STATEMENT

『Little Feet』を完成させたとき、子供たちが大人になる前に彼らの映画をもっと撮りたくなるだろうとは思っていた。僕は自分自身の人生にもかつて存在した瞬間を物語にし、もう一度生き返らせたいと思っていたのだ。『Little Feet』では、4歳と7歳の子供たちを通して世界を感じようとし、『スウィート・シング』では11歳と15歳の子供たちとともにその冒険を続けた。
この新しい物語で、彼らは子供時代から抜け出て、大人の世界と衝突することになる。もう隠れていることはできない。周りの大人たちは彼らを守る能力がなく、あってはならない状況に彼らを追い込む。その結果、彼らは詩と友情と自由の世界へと逃走する。それはごく自然なことだ。
これはとてもパーソナルな映画だ。子供たち、妻、そして親友ウィル・パットンと一緒にこの映画を作った。クルーはニューヨーク大学大学院ティッシュ芸術学部の僕の学生たちで構成した。創作面の完全な自由のために、自己資金とクラウドファンディングだけで作った。大きなリスクのある探検だから、そうする必要があった。まず、子供たちがこんなに演技ができるとは思っていなかったので、無条件に信じることから始めた。ありがたいことに、彼らはこのチャレンジを乗り切る以上のことをしてくれた。そのおかげでクルーと僕は、毎日、映画を進化させなくてはいけなかったほどだ。
僕たちは経験を積んだ俳優とアマチュアの組み合わせで、フィクションと現実を融合させながら映画を撮影した。実験的で創造的な性質をもった映画なので、時間を超越した感覚を与える粗いモノクロの質感が欲しくて、16ミリフィルムで撮影した。この物語には時代設定があるわけではないが、とてもリアルで現代的だ。子供たちの不安、詩、発明は映画自体のスタイルに反映されている。私たちの撮影アプローチを表す言葉はないが、一方でとても古典的でもある。『スウィート・シング』では、僕がやりたかったことを実現できたと自信を持って言える。映画とはマジカルな幻想をもたらす魔法だと思う。それは興奮に満ちた体験だ。詩人ヴィヨンはかつて、詩を書くという行為は「人間が自らの神を創る喜び」に等しいと書いた。
『スウィート・シング』という映画を、僕はどうしても撮らなければならなかった。この映画が観客と共鳴し、僕たちが映画を作った時に感じたのと同じ喜びを観た人が体験してくれることを願う。

アレクサンダー・ロックウェル
ニューヨーク/2019

MUSIC

『スウィート・シング』の音楽

音楽にもロックウェル監督のSweet Thingがぎゅっと詰め込まれたような『スウィート・シング』。主人公ビリーの夢の中のゴッドマザーであるビリー・ホリデイはアーヴィング・バーリン作曲の「I'VE GOT MY LOVE TO KEEP ME WARM」を聴かせ、映画のタイトルにもなっているヴァン・モリソンの「SWEET THING」は名盤「アストラル・ウィークス」からの1曲、ビリー、ニコ、マリクの3人が逃走するシーンに流れるマリンバが印象的な曲はテレンス・マリック監督『地獄の逃避行』のテーマ曲として有名なカール・オルフ作曲の「GASSENHAUER」だ。さらに、冒頭でクラシック映画のような雰囲気を与える1930-40年代のスター歌手ネルソン・エディの「Trees」に始まり、アグネス・オブラ、シガー・ロス、ブライアン・イーノ、ミリアム・マケバ、アルヴォ・ペルト、モーツアルトなど音楽ファンにもたまらないトラックの数々が使われている。

COMMENT

*順不同・敬称略

REVIEW

  • このシンプルな物語を
    特別なもの
    にしているのは、
    脚本・監督の
    アレクサンダー・ロックウェルが
    スクリーンにもたらす
    スタイルである。

    Teo Bugbee(New York Times)
  • アイリス・アウトや時々登場する落書き風の字幕などの悪戯めいた表現、『地獄の逃避行』の象徴的な音楽の使用、『スタンド・バイ・ミー』などの過去作品へのオマージュ。
    しかしこの〈家族の問題〉を描いた映画に最もふさわしい感情は、〈愛情と親密さ〉だ。
    吹きっさらしのような粗い映像は、美しいパフォーマンスと、かつて映画が持っていた魅力を強く印象付ける。

    Jessica Kiang(Variety)
  • 『スウィート・シング』は
    ささやかな映画ながら、
    壮大なアイデアが詰まっている。
    まるでピーター・パンが
    チャーリー・チャップリンと
    チャールズ・ブコウスキーと一緒に
    ガラクタ置き場を走っているような

    魅惑的な永遠性がある。

    Josh Davis(Pop Culture Leftovers)
  • ソウルフルで、
    心が躍る。

    一方でここには、
    困難な子ども時代に影響を与える
    人種や貧困の悲しみも
    描かれている。

    Travis Hopson(RogerEbert.com)
  • 『スウィート・シング』は一見脆いもの、
    つまりスタジオの大きな力に潰されかけている
    インディーズ映画に見えるかもしれない。
    しかしこういう映画こそ、実は最も強いものなのだ。
    それはブロックバスター・ムービーが
    人々の記憶から消えたあとも長く残りつづける。

    Tim Brennan(About Boulder)
  • 詩的な輝きに満ちたショット…
    この大胆で小さな映画は、
    感傷を強制することなしに、
    明晰なステイトメントを
    伝えている。

    Filipe Freitas(Always Good Movies)
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