緑はよみがえる

コメント&海外評

時をこえて戦争は一つの顔だ。
雪と高山の美しい情景に、戦争の残酷、むなしさがかさねられる。

澤地久枝(作家)

兵士たちの敵は相手方の塹壕にはいない。
敵とは彼らを戦場に送りこんだ人たちのことだ。
―オルミ監督の父親が語ったこの言葉がそのまま映像になってしまった。

山田洋次(映画監督)

戦争に人間としての根源的な問いを投げかける陰影の深い作品。
20世紀の戦争には、まだその問いが生きていたのか、と戦場での対話の美しさに感動しました。
今の時代はもうその対話さえ吹き飛んでしまっているようで・・・。

加藤登紀子(歌手)

これは映画なのか、祈りなのか。
オルミ監督はいまや、天上の死者や天使たちと映画を撮っている。

晴佐久昌英(カトリック浅草教会・上野教会主任司祭)

戦争は多くを奪う ―お気に入りの物、家族、将来、ささやかな日常。
命すら自分の所有物ではなくなる、静かな白い地獄を描いた76分間。
タイトルに込められた真の意味に瞠目した。

深緑野分(作家『戦場のコックたち』)

凍りつくような雪の積もる戦場で、カンツォーネのメロディーが切なく響き、
その中で故郷を思う兵士の気持ちと、死への恐怖がリアルに描き出された映画です。

秋川雅史(テノール歌手)

順不同・敬称略

これはイタリア人にとっての「地獄の黙示録」だ。
歴史が忘れ去ろうとしている無益な争いの記録なのだ。★★★★

マイ・ムービーズIT パオラ・カセッラ
MYMOVIES.IT Paola Casella

オルミ監督は、息をのむほどに美しい自然の中に、
その命をささげた人々の尊厳と情熱を取り戻し、記憶のともし火をつなごうとしている。

コッリエーレ・デッラ・セーラ紙 パオロ・メレゲッティ
Corriere della sera Paolo Mereghetti

オルミ監督は数十年にわたるヨーロッパの政治的、社会的動乱を静かに、
そしてシンプルに描き、その後に訪れた平和がどれほど壊れやすく、
すべての戦争の代償がいかに大きいかを語る。
この物語は、第二次世界大戦、そして現代の戦争へと私たちの注意をむけさせる。

ニューヨーカー リチャード・ブロディ
The New Yorker Richard Brody